スワーミージーについて

 スワーミー・アーナンダ師は、1950年4月18日、インド・オディシャー州にて、名門のバラモン一家にお生まれになりました。スワーミージーは当時屈指の教育機関で学ばれ、ご両親は将来、ご子息を海外留学させることを望んでおられました。
 しかし、デリー大学で学ばれていた19歳のとき、スワーミージーは人生の空しさを覚え、生のより深い意味を求める強い求道心を抱かれました。その内なる呼びかけに突き動かされ、スワーミージーは学業を中断し、心を満たす何かを求めてインド各地を放浪されました。 


 真理を求めるその旅のなかで、神の恩寵に導かれ、スワーミージーはインド東海岸の巡礼地プリーの砂浜にある小さな庵にたどり着かれました。そこで、スワーミージーは尊き師と出会われたのです。ディビャダームの聖マザーである、マー・バーバーマイー・パラマハンサです。
 スワーミージーはかねてより、人生のより深い意味を教えてくださる悟達した師を求めて、ヒマラヤへ行きたいという願いを抱いておられました。そして、聖マザーと何度かお会いになった際、その願いをマザーにお打ち明けになりました。


 その時、聖マザーは、スワーミージーの心に深く響く言葉をおかけになりました。


「でも、どこへ行っても、自分の心を一緒に連れていくのではないですか。心に平安と調和がなければ、どこへ行っても混乱した心のままですよ。」

 このシンプルでありながら深遠な真理の言葉は、スワーミージーの魂の深部にまで響きわたりました。自らの無力さを知ったスワーミージーは謙虚な気持ちで、混乱した心を鎮め、平安を授けてくださるよう、聖マザーにお願いされました。この時こそ、スワーミージーの新たな旅の始まりであり、深く結ばれた師弟関係の始まりでもありました。


 スワーミージーは、聖マザーよりディークシャ(弟子になる入門式)を受け、手厚いご指導のもと、熱心にサーダナ(霊的修行)に励まれました。神聖なる師の恩寵のもと、スワーミージーはまもなく豊かな霊的体験と深い瞑想に導かれ、真我の悟りへと向かわれました。
 1986年、ハリドワールのクンブ・メーラー祭において、スワーミージーはサンニャーサ・ディークシャ(出家となる入門式)を授かり、「スワーミー・アーナンダ」となられました。その後、聖マザーの御指示に従い、スワーミージーは、真理を求める求道者たちを導くことに身を捧げられました。


 師の御意を果たすため、スワーミージーはヨーロッパ、チリ、日本などを訪れ、講話や個別指導を通じて、人生の深い意味を探し求める人びとに光を授けられました。スワーミージーは、人びとに人生の本当の目的を理解させ、自己の本質――すなわち光と喜びの源――を発見する方法をお教えになりました。
 グルの教えに根ざし、自らの霊的体験に裏打ちされたスワーミージーのメッセージは、人びとの魂に深く触れ、多くの人々が霊的な道を歩み始めるきっかけとなりました。スワーミージーのお導きによって、世界中の多くの人々が人生を新たにし、聖マザーとスワーミージーの示された道を実践し歩んでいます。


 2002年5月、聖マザーが天上の神聖なる御住まいへと還られてからは、スワーミージーはディビャダーム・ヨーガアーシュラムの院長をお務めになっています。今日もなお、スワーミージーは師の教えと理想を生きた伝統として体現され、霊的な道を歩む求道者たちを揺るぎなく導いておられます。